2月11日は「建国記念の日」。
「建国」ですから、「日本ができた日である」と多くの人は認識しているはずです。
でも、この「建国記念の日」という文字についてもう一度考えてみてください。
「あれ?なんかおかしい」って思いませんか?そう、「日本ができた日なら」「建国記念日」にすればいいのです。
でも、わざわざ「建国記念の日」としているわけで、ここにちょっと疑問があります。
でも、「建国記念の日」とされていることにはちゃんと理由があるのです。
どうして「建国記念の日」ができたのか
実は、「建国記念の日」ができる前に、日本には「紀元節」という祝日がありました。
これは「日本の誕生を祝う日」のことで、つまり「建国の日」と同じ意味を持つ祝日です。
「紀元節」は明治時代に作られた祝日で、日本初の天皇となった「神武天皇」が即位した1月1日を新暦になおした2月11日が選ばれています。
※諸説あるようです紀元節は日本に定着し、その日になると各地ではイベントが行われるなど大切にされていたようです。
しかし、第二次世界大戦が終わった後にアメリカが「日本人の団結を誘発する」と危険視したため、廃止されることになってしまいました。
ここで起源節は姿を消します。
1966年に復活~「建国記念の日」の設立へ
それでも、日本人の多くは「建国を記念する日はあったほうがいい」という考えを持っていたようです。
戦争から時間がたち、再び「建国を記念する日を作るかどうか」という議論がされるようになりましたが、反対の声もありなかなか話しは進みませんでした。
どうして反対されたのか?
それは、「そもそも神武天皇が実在したかさえ分かっていない」という事実があるためです。
神武天皇の存在が確認できるのは、「日本書紀」の神話のみ。
最近では「神武天皇は実在の人物ではないのでは」という声も高まっており、「それなのに建国の日を作るのはどうか」という意見も多かったのです。
※学校の教科書でも、神武天皇は神話の人物という見方をされています。
つまり、結局のところは「日本の成り立ちはよくわかっていないし、2月11日に建国されたかどうかもわからない」ということなのですね。
もめに揉めた上で、結果的には「建国記念日」に「の」を入れて「建国記念の日」とすることで、「日本が生まれたこと自体をお祝いしよう」という意味にして、祝日となったのです。
「建国記念日」だとこの日に国ができたという意味になってしまいますが、「の」を入れることで「日本が生まれたことをお祝いしよう」になる…日本語の深さがここにも発揮されています。
神社などでお祭りがおこなわれます
「建国記念の日」は目立ったことをするわけではありませんが、各地の神社仏閣で「建国祭」が行われるなどされているようです。
また、由来は確かなものではないにしても、こうして「建国記念の日」があることで「日本が生まれた日のこと」に思いを馳せることもでき、少なからず国民が国を思う日にもなっているようですね。
神武天皇が実在の人物ではなかったとしても、神話の人物を大切に扱うところも日本らしいと言えます。
この日をきっかけに、神話を学んでみるのもいいかもしれませんね。
日本書紀には、今の日本に根付いたたくさんの神様が出てきますので、見てみると面白いですよ。
また、どんな神様がいるのかを知るきっかけにもなります。
まとめ
今年も2月11日に建国の日がやってきますが、日本の歴史を振り返ってみたり、自分なりに時代を学んでみたり、なにか自分たちの国について調べてみるという日にしてみてはどうでしょう。
ここまでの日本を振り返ってみることで、いかに日本が歴史の深い国なのかということを再確認できるはずです。