スローフードの未来を考えるとき、そのキーワードは田舎暮らしにあります。
もちろん本格的にスローフードな生活を考えるなら、都会から田舎に移り住んでしまうことが最も良い方法です。
その先には時間に追われない生活をしたり、食材を自給自足したり、じっくりと食材を選択したりすることができる毎日が期待できます。
生活へ取り入れる
でも、そう簡単には田舎暮らしをすることができないという場合には、マンションのベランダで野菜を栽培してみたり、近所の商店街に買物に出かけたりしてみるところから、スローフードを始めてみることがお勧めです。
スローフードの未来のためには、これから大人になっていく子供たちに食の大切さを繰り返し伝えていくことが必要となります。
家庭では手作りのおかしや食事作りなど親子でできるスローフードのきっかけ作りがありますし、三食の食事を家族と一緒に囲むということが楽しく食事をすることができるというスローフードの精神となによりも合ってきます。
子供たちが通っている幼稚園や学校での給食でも地元の食材が使用されるなど、スローフードに関連した献立作りで食育が行われています。
さらにスローフードの流行は人のみならず、ペットの世界にも及んでいます。
ペットにもスローフード
原材料が曖昧なペットフードを長生きしてもらいたい、大切なペットに与え続けるのではなく、人の食事と同様、食材に気を配り、手作りで安全な食事がペットにも必要なのです。
飼い主がきちんと食材を選択し、手作りの食事を与えることによって、ペットの毛艶が良くなり、健康で長生きをしてもらうことも夢ではないのです。
スローフード発祥の地であるイタリアでは、スローフードの運動がかなり大きなブームとなり、人々の意識を変え、地元の生産者を活気づけることとなりました。
日本でもスローフード運動は広まりを見せていますが、いざ実践しようとしても、有機栽培の食材が高くついたり、慌ただしい日常生活からなかなか抜けきれなかったりしてうまく継続できない人も多いようです。
安全な食材や健康な身体はなによりの財産と考えて、スローフードの良さを取り入れていってほしいと思います。
田舎暮らしのススメ
スローフードをもっと身を持って体感したい、スローライフを極めたいと本腰を入れて考えるのなら、思い切って田舎暮らしを提案します。
都会ででももちろんスローフードは実践することができますが、どうしても毎日の慌ただしい日常生活に追われてしまう、スローフードをもっと楽しみたいが、断片的なものになってしまうというということも多いかもしれません。
特に田舎暮らしでは、スローフードという食の面だけではなく、衣や住の分野も含めたスローライフな暮らしを求めることもできるのです。
スピード感があることが重視され、そのせいで機能性が高いということがもてはやされる都会では、その中でスローフードを貫こうとしてもなかなか難しいものがあるのかもしれません。
毎日をゆったりとくつろいで、でも怠けているのではなくて、こだわったものには時間や手間をかけるということを徹底してみたいのなら、田舎暮らしはとても良い選択なのです。
そう思い切って、本当に田舎に引っ越すことができれば、一番良いのかもしれませんが、仕事や家族などのつながりもあって、スローフードを極めるためにとはいっても、そう簡単には引っ越すことは難しいのが現実かもしれません。
都会暮らしでも小さな工夫から
では、都会で暮らしながら、田舎暮らしの気分を味わうことができる工夫をしてみましょう。
現在の自分のライフスタイルを見直してみて、どのような部分からスローフードを取り込んでみようか考えてみます。
マンションでもベランダがあれば、プランターを1つでも置いて、季節の花を植えたり、家庭菜園に挑戦してみたりするというのはどうでしょうか。
プランターを置くスペースを確保することも難しいという場合なら、お花屋さんでたまには好きな花を買って1輪でも飾ってみるとか、毎日ではなくても、有機栽培などにこだわった野菜を選んで料理してみるということができます。
それまではスーパーでしか毎日の料理の食材を購入しなかったのなら、地元の商店街や、産地直送の小さな売店などで食品の買物をしてみることも都会での田舎暮らしのコツかもしれません。