スローフードは楽しく実践していくことができるものではありますが、なんとなくダラダラとスローフードを続けていくというのではなく、始めてしばらくしてきたら一度はきちんと立ち止まるということをして、自分自身の食生活を見つめ直すということが大切なのです。
自然に優しいスローフードのこのポイントを押さえておくことによって、スローフードを続けていけば、自分自身の健康な身体作りを実現することも可能となります。
スローフードのポイントを押さえる
スローフードを実践するときに、幾つかの重視したいポイントがありますので、それをしっかりと押さえてスローフードを楽しみましょう。
まずは質の良い食材を選択するということで、産地がどこなのかわかるもの、できるだけ地元のものなどを選ぶことも良い方法です。
自分が口にしようとしている食材がどのような人の手を経てここにたどりついたものなのかということを知ることはとても大切なことになります。
地元の食材や料理などを充分に知ることができ、少し違った形でスローフードを楽しみたいと思ったら、全国各地にある郷土料理を知るためにいろいろな場所を訪れてそこに伝わっている伝統食などを知ることもスローフードの楽しみとなります。
食べることだけではなく、小旅行も兼ねることができますので、出かけることが好きな人にはもってこいのスローフードの方法となるのではないでしょうか。
また、スローフードではどのようにして食べるかということも大事なことですので、好きな音楽などをかけてリラックスしながら食事をするということも、食べるという行為を大切にすることができるものとなります。
普段は自宅や会社などで食事をとることが多いのでしたら、たまにはお弁当やサンドイッチなどを作って、外に出かけて心地良い風を感じながらの食事もお勧めです。
スローフードは1人で孤独に行っていけば良いというものでもありませんので、家族や友人などほかの誰かと、また大勢の仲間と一緒に食事をするということも、スローフードの実践を助けていくこととなります。
スローフードの合言葉は、質の良い食べ物をおいしく食べるということなのです。
各地で取り組まれている
スローフード運動が発祥したのはイタリアですが、現在では日本はもちろん、世界の各地でスローフードの運動に取り組んでいこうという動きが見られます。
このようにスローフード運動が広まっていく背景には、いずれの国や地域でも、大量生産で作られていく食材やインスタント食品などの発展があり、これが地域に及ぼす、変化のない食文化への危機と感じ、そこから脱しようというところから始まっているのです。
たとえば日本で郷土料理や伝統食があるように、世界の各地でもその地域に伝わる食材や、民族独特の料理というものが存在していますので、質の良いそれらの食材や料理を大切に守っていくということがスローフード運動として行われているのです。
日本においては、さまざまな地域でスローフードを実感することができるイベントを開催していることが多いようです。
そのようなイベントでは、特別に「スローフードとは」といったように銘打ったものではなくても良いのです。
食材や調理に関することなどの食をテーマにした講演会などで、スローフードとは何かということを知ることができます。
ほかにもイベントを開催している地域特産の食材を使ったアイデア料理のコンテストなどには、地元の住民だけではなく、近隣の地域からも応募が増えてきているようです。
このようなイベントを通して食を楽しく学ぶことによって、わざわざスローフードとは何かという難しい話をしなくても、自然とスローフードの趣旨を理解し、大切さを知ることができるのです。
地域の特産物は、その地域によって種類がさまざまで、お米であることもあれば、お酒や、しょうゆや味噌などの調味料であることもあります。
それぞれの地域によって土壌が違っていますので、育てるのに向いている作物も違っていて当然なのです。
その地域特産の野菜を取り上げることもスローフードですが、季節に合わせた旬の食材であることもスローフードの大切な条件となります。
スローフードの効果
スローフードとはどのようなことなのか、スローフードを実践するということはどういうことなのかということがなんとなくわかってきても、スローフードを実践していくことによって、自分自身にどのような効果が生まれてくるのかということがわからなければ、スローフードを続けてみようという気持ちが高まってこないかもしれません。
スローフードによって得られる効果の中でも、自分の身体の健康に直接つながることとしては、食べたものを身体の中で消化させる能力が今までよりも高まるということです。
スローフードはゆっくりと食べるということではありませんが、やはりスローフードを意識することによって、楽しく、ペース良く食べるということができるようになってきます。
そうすれば自然とよく噛んで食べ物を胃に送ることができるようになりますので、食べ物を消化することが促進されるようになってくるのです。
また、家族や友人などと食事をとる機会を増やしたり、落ち着いて食事をすることによって、イライラと怒りっぽくなったり、不安な気持ちを抱えているということが少なくなってきますので、精神面でのバランスがとれるようになってきます。
特に意識して家族と食事をすることを増やそうとすれば、時間のやりくりをしたり、予定を調整したりして、家族との生活ペースを合わせようと試みることもあるかと思います。
そういった努力によって、家族団欒での楽しい食卓を実現することができれば、家族の出来事や考えていることなどの話を聞く機会が増え、生活にも変化が見られるのではないでしょうか。
家庭では食事をするときの食材について、また料理について意識する、毎日の出来事や生活上の変化について話をしながら食事をするができます。
時には仕事仲間と仕事についての話をしながら食事をするなどという時、普段はあまり意識をしていない、毎日の生活や仕事のことなどを含めた出来事を改めて頭の中で整理することもできるかもしれません。