今も昔も、人が何かをすることによって「体や心が疲れる」という現実に変わりはありません。
疲れたら休み、食事でエネルギーを補って、再び仕事や家事に取り組む。
このサイクルはどの時代でも変わっていないはずです。
リラクゼーションを取り入れる
ではなぜ、今の時代に、リラックスを目的としたリラクゼーションの必要性が叫ばれるのでしょうか。
諸説ありますが、一番の大きな原因は、「情報の過多」だといわれています。
仕事の量が増えたからではありません。
高度成長期と呼ばれた時代には、週休二日制度などありませんでした。
子供の学校行事が増えたからでしょうか。
それも違います。
今よりもはるかに昔の方が、親の学校への関わりが大きかったはずです。
仕事の量でもなければ、学校の問題でもない。
要するに、情報が多すぎるのです。
インターネットやテレビなどが普及し、情報をすぐに手に入れることができる時代になって、人と比べることや目標を高く掲げることが現代人の常になりました。
そのことが、知らず知らずのうちに体や心に大きな負担を掛け、自律神経の異常や、行き過ぎるとうつ病などを発症してしまうのです。
情報の過多は深刻です。
例えば、育児について。
子供の成長が気になるあまり、ネットで検索して同じ月齢の赤ちゃんと比べてしまう。
ミルクの飲み方や体重が少ないと心配になってそれがストレスとなる。
標準的な情報と分かっていてもつい比べてしまう。
仕事面でも同じことです。
たくさんの情報によって、自分の仕事がうまくいっていないのではないかと心配になる。
目標をネットで公開されている情報のように高く掲げてしまい、頑張りすぎる。
このように、情報があふれる現代では、現代人のストレスはたまる一方なのです。
そこで、リラクゼーションの登場です。
リラクゼーションによって、情報に疲れた心と体をリセットする。
頭の中を一時的にでもクリアにする。これが、健康で長生きするために現代人にとって一番大切なことなのです。
リラクゼーションにはいろいろ種類がある
ひとくちにリラクゼーションといっても、その種類は様々です。
小さく分類すると数えきれないくらいです。
ここでは、今、エステティックサロンやスパなどで行われている代表的なリラクゼーションをご紹介しましょう。
まずは、マッサージです。
全身や体の一部分をマッサージすることで、リンパと血行の流れを良くする目的があります。
それ以外にも、オイルを使って誰かの手によってマッサージされることで、脳の興奮作用を抑え、心をリラックスする効果が高いのです。
このマッサージに使用するオイルや、マッサージの方法の違いによってリラクゼーションのメニューの名前が変わってきます。
足の裏のマッサージをリフレクソロジーと言い、英国式と台湾式が有名です。
足の裏に集中するツボを刺激することによって、全身のマッサージと同様の効果を得られるものです。
足だけのマッサージですから手軽に行うことができるため、会社帰りのOLやサラリーマンから人気に火がついたといわれています。
そのため、リフレクソロジーを行う店舗は駅前に集中しているという特徴があります。
アロマセラピーもリラクゼーションの一種
アロマセラピーは日本では「アロマテラピー」と呼ばれることもある、主に植物由来の精油を利用したリラクゼーションです。
精油を利用したマッサージもありますが、蒸気を吸い込んだり、器具を利用したりとその方法は様々です。
フランスなどでは医療行為に用いられることもあり、アロマセラピーの効能が非常に注目されていますが、日本ではアロマセラピーは医療行為とは認められていないため、精油の内服は禁止されています。
精油を使ったマッサージを「アロマトリートメント」と呼びますが、多くのエステティックサロンではトリートメントをリラクゼーションのメニューとして取り入れているようです。
様々な効能を持つお湯につかるリラクゼーションもあります。
温泉施設などで行われることが多く、海外ではスパと言って、リラクゼーションの代表格になっています。